犬の系譜 其の壱
僕が5歳の頃、うちに犬がやってきた。やってきたというよりも、もとはと言えば子犬を貰いにこちらから出向いたのだが。
芸術と創作
人口が一万分の一まで減少すると、総人口は80万人になる。この程度であれば人類はこの惑星でしばらくは謙虚に生きていられるだろうか。
Eugène Atget
現代アートを生産すること自体、それにそぐわしい現代の意義がありそうである。数千年続く人類の芸術行為に現代的な役割を付加したし、制作にかまけるための言い訳もより複雑怪奇になっている。
逆は然りではない
僕が今、A=Bを考えなければならなくなった理由は、ある精神科医の言葉がきっかけである。その精神科医曰く「心は脳である」らしい。 確かにその通り、心は脳機能の現象である。そこで僕は考えた。脳は心であるか。 否である。
向田邦子の言葉
あとから読み返して、良く考えてみるともしかしたら適切でないかも知れない、と思えば消しゴムで消すことができるが、口から放ってしまった言葉を取り消そうと思ったら、会話の当人に謝らなければならず、謝った言葉がまた相手を傷つけ、汚れ、傷を深くする。
心の病
人類の数十万年の歴史の中で、これほど身体を使わない生活はかつて経験したことがなく、空想に空想を重ねる不安や心配を、ひっきりなしに脳内で生成しなければならない状況も、現代ほど過剰に経験したことはかつてなかったはずだ。
目標
現代社会に生きる僕らは率直に言えば世界を甘く見ている節がある。何か途轍もなく大きな要素をうっかり見過ごしているように感じられてならない。
宿命
不味く間違えた過去を取り消すために戻ることは能わないが、その後の悪路に背を向けず歩を進めることが現実として最も重要な筈である。克服できるかはもちろん自分の努力次第であろうが、状況が好転して助けられることも無くはない。
個性と独創
芸術家が個性的なのではなく、もしかしたら多くの人が人生を過度に冷淡に諦観して過ごしてしまっているのではないだろうか?
健やかであること
人間は問題を生産してそれを解決する、ということを繰り返して、大きく展開した脳の前頭葉を落ち着かせている。言い換えれば、日常生活で問題を作らないように知らんぷりをして、日がな一日を寝て過ごす、ということに満足できない本能を備えてしまっている。