数え切れない人々が駅構内の乗り換えや出口へと縦横無尽に行き交う。全ての動きは悉く一直線だ。どれも限定的決定的で、時間軸にも進行方向にも選択肢は無い。効率化と合理性は知らぬうちに僕の呼吸を浅くして、僕らの日々は気付かないうちに朦朧としている。

ジョジョの生き方は、この御時世では時流にそぐわない身勝手なそれだったと判断されるのは仕方がない。しかし、ジョジョの、犬としての本能から言えば、ジョジョは犬としての誠を貫いたのだろうと思う。

僕が電車で出掛けるときは、駅までお互い徒歩で一緒に行って、僕は望むに電車に乗り込み、ジョジョはホームでお座りしながら僕の出発を見届け、そのあとはきっと街をしばらく散策して、のんびり帰宅していたようだ。