ひとり
たとえ望まれない状況のもとでも若者は恋をし、一生を共にする人との出会いにこのうえない幸せを味わっているに違いない。家族を持つ喜びを知り、悲しみを分かつことへの本能的な要求を知り、切磋琢磨することの悦びを知るだろう。
儚い誓い
世界は広いだけでなく、想像を絶する重厚さも秘めている。それでもなお、自分にとっては無駄な事物がどうしたって存在している。
窓の外
僕自身は自分自身にノルマを与えるのが上手ではないからか、毎日毎日、用事を発明することが日々の最も大切な日課になっている。ノルマはほとんど他からは与えられない。
執念という材料
「凄い」という言葉は形容詞でありながら実は言語で形容できないという自己矛盾を内包する美しい言葉である。
お掃除
自分自身を手入れする、というのは、自分の身体も頭も日々変化し続けていることに対する備えである。変化を防ぐことはできないが、その変化に対してすこしでも自覚的でいるのは有益である。
文化ということ
人類社会の制御しづらさは、実際のところ、カモメのジョナサンが抱えた抗えない自己そのもののように見えなくもないし、そうなると文化は外圧的に制御することの能わない極めて内攻的なものではなかろうか、とついつい想像してしまう。
Form follows function
つまるところデザインの根幹は、それが何の系統に属していて、その系譜をどこまで遡れるか、その枝葉を如何に深く鮮明に直覚できるかにかかっているのではないかと思う。
カラヴァッジョの眼
人間の脳は、心を鷲掴みにされる時、その他のあらゆる記憶のディテールは光も色も奪い取られ、虚無の空間に放り出されてしまうことを、カラヴァッジョは発見したのだ。
世の中の真実
起こったことの真実は検証可能なのであろうか。否、検証可能かどうかよりも、世界で起こるあらゆる事柄は誰にとって唯一なのであろうか。
ニーズを読む
人気商品はこぞって消費が扇動される。人気のある人物も、見方によっては商品と云えなくもない場合があるから、そういう方達の消費もまた、バブリーに膨らむ。 バブリーに膨らんだものはいつしか弾け、別の人気商品や人気者が台頭する。